経部引用書から見た『説文解字繋傳』注釈考

経部引用書から見た『説文解字繋傳』注釈考

南唐・徐鍇の著した『説文解字繋傳』は、現存する中国最古の字書である『説文解字』の全体を通して注釈を施した最初の著作である。宋代には尊重されたが、清代に酷評されて以降、ほとんど研究対象とされていない。徐鍇は注釈中に多くの書物を引用しているが、これらの引用に対する評価が、『説文解字繋傳』そのものの評価を左右している。本書は、特に数の多い『易』・『書』など経部の書物の引用を分析することにより、その評価の妥当性を検討するとともに、徐鍇の注釈の特徴を明らかにしようとしたものである。

執筆者:坂内千里(教員)

出版社:大阪大学出版会

出版年月:2014年2月28日