高度副プログラム等

人文学研究科(言語文化学専攻) 大学院等高度副プログラム

デジタルヒューマニティーズ

プログラムの趣旨・概要

 デジタルヒューマニティーズは、伝統的な人文学(ヒューマニティーズ)とデジタルとの有機的な結合により、人類知の取得、解釈、比較、参照、表現の方法などの再構成に取り組む分野横断的な研究・教育領域です。
 本プログラムは実証主義的なフィロロジー、言語研究、文化研究を基盤として学修するのに加え、文字や紙媒体だけでは不可能な資料・史料の理解やテクストの読み、エビデンスの可視化(visualization),独創的なリサーチクエスチョンの創成、そして方法論的共有地(methodological commons)に基づく協働(interoperability & collaboration)などを通して、人文知の新地平を切り開く取り組みでもあります。
 テクストや資料、史料に最新の解析技術を応用することにより、従来のリニアなアプローチだけでは不可能な現象の把握や価値の発見、エビデンスの蓄積という営みを通して、人文学データを新たな角度から読みなおすのが当プログラムが目指すところです。

概要・構成科目・修了要件等

プログラム実施組織
人文学研究科 言語文化学専攻
修了要件単位数
8単位以上
受講対象者
修士・博士
標準履修期間
1年
到達目標
当プログラムは、提供する講義とコースワークを通して、人文学・社会科学の資料を的確に取得、解釈、比較、参照、表現する方法を学び、ニーズに合致した情報の鉱脈を掘り当て活用する高度な「デジタルヒューマニティーズ・リテラシー」を修得することを目標としています。
カリキュラムの構成
当プログラムは、デジタルヒューマニティーズ(DH)科目群(DHA/B,DH基礎,DH演習),および関連科目群(言語統計学A/B,史的言語研究A/B,テキストマイニング論,法政情報処理,行動統計科学特講I,特殊講義SocialScienceResearchMethods)によって構成されています。デジタルヒューマニティーズ科目群では、DHの基礎的な原理やスキルに重点をおいて学修する基礎科目から、応用実践の方法論を有機的に組み合わせることを主眼とした専門科目を通して様々なタイプの人文学資料・史料、テクストデータを取り扱うためのプログラミングや、処理ツールを駆使する技法を習得します。併せて、コーパスデザインに関する理論や、人文学資料の電子化・構造化に関する基礎論、データ解析のための統計数理モデルに関する講義とともに、実践的なコーパス分析から解析結果の視覚化(visualization)技術を応用し、いわゆる"distant reading"の演習も行います。一方、関連科目群は、コーパス言語学や、行動科学における統計手法を基礎から応用レベルに至るまで学ぶのに加え、テクストマイニングや法政情報処理など、社会科学分野のデータ処理や分析をカバーします。こうした幅広い提供科目を通して、客観的データやエビデンス、再現・検証可能な方法論に立脚した、データ駆動型人文学の研究原理と実践を追求します。
構成科目

令和6年度申請者構成科目

令和5年度以前申請者の令和6年度構成科目は「プログラムからのお知らせ」の構成科目変更情報を確認してください。
修了要件
8単位以上。ただし、デジタルヒューマニティーズ基礎、デジタルヒューマニティーズAまたはB、デジタルヒューマニティーズ演習から4単位以上を含めること。
受講資格・条件
特になし
前提知識の目安
特になし
特記事項
プログラムに該当する授業の内容は、KOANのシラバスと各授業の第1回目にガイダンスがあるので、それを参考にしてください。
問い合わせ先
人文学研究科・豊中事務部 学務係
TEL: 06(6850)5863
E-mail:jinbun-gakumu[at]office.osaka-u.ac.jp
※ [at]は@に置き換えてください。

プログラムからのお知らせ

世界の言語文化とグローバリゼーション

プログラムの趣旨・概要

 人類は太古から大規模な移動を繰り返しながら、言語文化と集団を形成してきました。グローブ(地球)は現在、様々な仮想の境界線によって区切られると同時に、通信網と交通によってつながれていますが、海を渡る人々、陸を移動する遊牧民などに、国境や境界線はありませんでした。今日の世界地図が作られる契機となったのは、コペルニクスの地動説という宇宙についての認識の大転換の後に、西洋の海洋探検家たちの「大航海」によって、アメリカ大陸、アフリカ最南端、アジア、オセアニア地域の存在がヨーロッパで認識されるようになったからです。これらの地域の「発見」が、移民や奴隷貿易も含めた貿易の世界的拡大へとつながり、さらに、18世紀の産業革命以降のグローバルな変化は、世界を一変させました。工業力や軍事力を背景とした近代帝国主義の拡大により、非西欧地域の資源や労働力が搾取された半面、科学技術や近代的社会制度の普及が、世界各地の言語文化や社会構造に大きな変容をもたらしました。
 15世紀半ばから20世紀前半までの帝国主義の時代に、社会制度、産業、金融、貿易、軍事面で大変化がおこっただけではなく、地理学、人類学、民俗学等の学問研究の発展により、より広範で精緻な「世界観」が作り上げられ、その知識が著作物となって世界中に流通しました。
 一方、旧植民地が次々に独立を果たした20世紀後半からは、エドワード・サイードの『オリエンタリズム』(1978年)によって、世界に流通する「オリエント」認識が西欧の視点から作り上げられたものであることが明らかにされ、ポストコロニアル研究が、旧植民地の視点から植民地主義の歴史やその言語文化的な影響を批判的に検証し、旧植民地における新たなネーションと文化の形成に着目する研究を力強く進めていきました。グローバリゼーションによって国家や民族や宗教、さらにカルチャーやジェンダーの概念そのものが変容しました。また、20世紀後半以降には世界人口の急増に伴う森林伐採と資源開発の加速化、軍事と産業による核や原子力、AIなどの科学技術の開発が、生態系と社会構造に大きな変化をもたらしました。
 21世紀に生きる私たちは、気候変動、災害、感染症の拡大、廃棄物などの環境問題、紛争やテロリズム、社会格差の問題など、様々な課題を抱えています。そして、それぞれの民族や社会や個人は、ネーションの枠を超えて複雑に絡み合うグローバルなネットワークのなかで、自らを「主体者」として様々なメディアで自己発信をしています。
 本プログラムは、文学、メディア、芸術による文化表象や社会政治的事象を言語文化的視点から考察し、それらの表象や事象を生む世界の様々な言語文化と社会について深く学ぶことによって、異なる価値や思考に対する共感に基づく多様な社会のあり方を模索し、「他者」と向き合う想像力を養います。グローバリゼーションの世界システムの構造的暴力を批判的に検証すると同時に、自らが発信者となってグローバルなネットワークの構築の可能性を開拓し、文化の交差点に生きる私たちの立ち位置を考えることにより、サステナブルな社会のあり方を思考するための高度な国際性の涵養を目的とします。

概要・構成科目・修了要件等

プログラム実施組織
人文学研究科 言語文化学専攻(連携部局:人間科学研究科)
修了要件単位数
8単位以上
受講対象者
修士・博士
標準履修期間
1年
到達目標
本プログラムの学習を通して、以下の能力を備えた方に修了認定証を授与します。
  1. 理論的な枠組(文学・文化理論、関連分野の理論など)を理解している。
  2. 文化事象や社会事象(帝国主義とグローバリゼーションの関係性、産業・資本・メディア・言語文化のグローバル化、ネーション、ジェンダー、土着文化、サブカルチャー、文化の受容と発信、異文化接触、翻訳を通した異文化理解、国際関係の協調性と敵対性、国境を越えた人的・文化的な交流、移民・難民・テロリズム、人とモノと自然の共生、環境問題などのテーマを例とする)について、世界の様々な文学や表象の分析、社会政治学的考察、フィールドワークなどを通して、具体的に理解している。
  3. 上記の理論や知識を応用し、言語文化について論じたり、現代社会が抱える諸問題について考察し、自らの考えを表現できる。
カリキュラムの構成
本プログラムのいずれの科目も、上記の到達目標に掲げた文学・文化理論と関連分野の理論の理解や、文化事象・社会的事象を分析し論じる能力を高める授業を行い、私たちが生きている「世界」に対する理解を深め、そのあるべき姿について考える契機を提供します。本プログラムの構成は段階的な科目配置ではなく、受講生の関心に合わせて、グローバリゼーションの影響のもとにある世界の様々な言語文化や社会のあり方を横断的に学ぶことのできる科目配置になっています。科目を多く履修すればそれだけ広範囲な知見を獲得することができます。
構成科目

令和6年度申請者構成科目

令和5年度以前申請者の令和6年度構成科目は「プログラムからのお知らせ」の構成科目変更情報を確認してください。
修了要件
原則、2名以上の教員の複数の科目を組み合わせて合計8単位以上履修すること。
受講資格・条件
言語文化と社会との関係について関心があり、その関心を深め、私たちを取り巻く状況の本質を追求しようとする意欲を持っていることを条件とします。
前提知識の目安
大学生レベルの英文の読解力と日本語のコミュニケーション能力が必要。(科目によっては、英語で行われる授業や、英語と日本語以外の言語能力が求められることがあります。個々のシラバスの履修条件を参照してください。)
特記事項
プログラムに該当する授業の内容は、KOANのシラバスと各授業の第1回目にガイダンスがありますので、それを参考にしてください。
問い合わせ先
人文学研究科・豊中事務部 学務係
TEL: 06(6850)5863
E-mail:jinbun-gakumu[at]office.osaka-u.ac.jp
※ [at]は@に置き換えてください。

プログラムからのお知らせ

このプログラムは、大阪大学のSDGsへの取組としても実施しています。

大阪大学のSDGsへの取組

言語学

プログラムの趣旨・概要

 近年、言語理論(統語論、形態論、意味論、音韻論、語用論等)の発展、また、統語論と意味論、音韻論と統語論、意味論と語用論等のインターフェイスに関する研究の発展は著しい。これに伴い、社会言語学、心理言語学、教育に関連する応用言語学等の研究の幅もさらに広がりを見せています。
 さらに、分野横断的な研究についても、脳科学として人間の言語理解・算出のメカニズムを解明するfMRI等を用いた実験研究、自然言語との比較が欠かせないAI関連の研究等において言語学的な知識は必須です。
 また、政府の言語政策、社会階層と言語の関係、「標準語」と「方言」等、社会的、文化的、歴史的背景を正しく理解した上での諸言語の現状や歴史の理解は言語学と社会学を含む諸分野との接点を成すものです。
 このように言語学研究は分野横断的な側面を意識しつつ、新たな次元にシフトしつつあります。
 本プログラムは、このような現状を踏まえ、言語学を体系的に学び、個々の専門分野・興味に合わせ「言語」を多角的に考察する力を育成することを目的とします。

概要・構成科目・修了要件等

プログラム実施組織
人文学研究科 言語文化学専攻
修了要件単位数
8単位以上
受講対象者
修士・博士
標準履修期間
1年
到達目標
本プログラムの履修を通して、以下の能力を備えたものに修了認定証を授与します。
  1. 言語学諸分野ならびにその関連分野について高度な知識を体系的に身に着けている。
  2. 世界の諸言語について現状、課題等が理解できる。
カリキュラムの構成
本プログラムは、言語理論、世界の諸言語、社会言語学、応用言語学等の授業を幅広く提供します。本プログラムの構成は段階的な科目設定ではなく、受講生の興味に合わせ、言語学の諸分野がカバーできる科目配置になっています。よって、科目を多く履修すれば、それだけ広範囲な知見が得られます。
構成科目

令和6年度申請者構成科目

令和5年度以前申請者の令和6年度構成科目は「プログラムからのお知らせ」の構成科目変更情報を確認してください。
修了要件
対象科目を履修して8単位以上取得すること。
受講資格・条件
言語学の基礎知識があることが望ましいが、必須ではありません。言語に関して広く関心があり、言語を学問的に考察する意欲を持つ学生を歓迎します。
前提知識の目安
KOANのシラバスと各授業の第1回目のガイダンスで確認してください。
特記事項
プログラムに該当する授業の内容は、KOANのシラバスと各授業の第1回目にガイダンスがあるので、それを参考してください。
問い合わせ先
人文学研究科・豊中事務部 学務係
TEL: 06(6850)5863
E-mail:jinbun-gakumu[at]office.osaka-u.ac.jp
※ [at]は@に置き換えてください。

プログラムからのお知らせ

インターカルチュラル・コミュニケーションの理論と実践

詳細は 大阪大学国際教育交流センターのページ をご覧ください。

人文学研究科(言語文化学専攻) 科目等履修生高度プログラム

デジタルヒューマニティーズ

令和7年度科目等履修生高度プログラム「デジタルヒューマニティーズ」出願要項は次のとおりです。

科目等履修生高度プログラム出願要項等

令和7年度科目等履修生高度プログラム「デジタルヒューマニティーズ」出願要項

令和7年度科目等履修生高度プログラム「デジタルヒューマニティーズ」入学願書・履歴書等(A4用紙に両面印刷して記入等してください。)

令和7年度科目等履修生高度プログラム「デジタルヒューマニティーズ」検定料振込依頼書(A4用紙に印刷して使用してください。)

令和7年度博士前期課程言語文化学専攻の授業時間割は、決定次第、言語文化学専攻ホームページ(大学院生活/学年暦・時間割等)に掲載し、随時更新する予定ですので、ご確認をお願いします。なお、時間割表の掲載時期は、すべての授業科目の決定後となります)

人文学研究科/言語文化学専攻/大学院生活/学年暦・時間割等

授業科目の内容は、本学のKOANシラバスを参照・確認してください。

大阪大学KOANシラバス

※上記リンクでKOANシラバスの公開ページが表示されない場合は、google等検索ツールを使用して「大阪大学 KOAN シラバス」で検索してください。