ハプスブルク帝国の末期、その東端のガリツィアのユダヤ人の町ブロディ(現ウクライナ)に生まれ、帝都ウィーンに学び、ワイマル共和国時代のベルリンで作家兼ジャーナリストとして活躍、ナチス第三帝国の成立とともに亡命生活に入り、第二次大戦勃発の前夜、パリで客死したヨーゼフ・ロートの足跡とその作品とを、丹念な現地調査をもとに克明に論究した本邦初の本格的モノグラフィー。評論家三輪智博評「放浪のユダヤ人作家の移動の軌跡と作品世界とを立体的に描くことに成功している。彼を支えた亡命出版人の姿も丁寧に描き込んだ、文学的芳香に満ちた評伝。」
執筆者:平田達治
出版社:鳥影社
出版年月:2013年4月3日