本書は、近年世界中でみられる右翼ポピュリスト政党の台頭と興隆について、その躍進を支える要因としてそのディスコースに着目し、分析を行った批判的談話研究である。彼我を分かつために駆使される巧妙な「コード化された言葉」、利害の異なる多様な聴衆に同時に語りかけるために戦略的に用いられる「計算された両義性」など、「他者」を排除する修辞を通して排外主義、外国人嫌悪、人種主義、反ユダヤ主義が常態化されていく「恐怖をあおる政治」がものの見事に明らかにされている。
原著者:Ruth Wodak
編訳者:石部尚登(修了生)+野呂香代子+神田靖子(修了生)
訳者:藤崎好子、長岡みゆき、中川慎二
出版社:明石書店
出版年月:2019 10月 07日