言語文化共同研究プロジェクト2002

『レトリック研究の方法と射程』

大森文子研究グループのメンバー構成と目的
第1章 翻訳のレトリック
渡辺秀樹俳句の英訳で加わるものと消えるもの
小塚良孝古英語訳福音書におけるmittereの訳語
沖良志博英語の「死」を表す比喩表現の通時的考察 ― give up the ghostをめぐって ―
第2章 記号のレトリック
田畑智司Dickensにおける─ly副詞の分布 ― 計量分析序説 ―
竹田聖基日本のマンガに見る擬音語,擬態語に関する一考察
高馬京子「モード」を構築/伝達する比喩の機能についての考察 ― 1965・67年日仏モード雑誌の「ミニ」をめぐるディスクールを事例に ―
第3章 精神のレトリック
Ichiro Koguchi“Philosohical Language” in the Early Romantic Era
松本敬子レトリックと言語学習 ― 類似性および隣接性に基づく連想ノードの拡張と自由英作文 ―
大森文子水のメタファーと心の認知
斉藤渉文法化とレトリック
第4章 レトリック文献渉猟
大森文子言語文化レトリック研究会の歩み
言語文化レトリック研究会レトリック文献解説
沖田知子レトリック研究の方法についての所感 ― 『コンピュータの向こうのアリスの国』をめぐって ―

『映像と文化III』

池田淑子「我らなぜ戦うか」シリーズ『中国での戦い』(1944)の分析 ― 日本人の表象が映し出すアメリカ人の他者構築のメカニズム ―
仙葉豊黒沢映画と病気 ― 『酔いどれ天使』の肺病と『生きる』の癌 ―
春木仁孝浸食する植物 ― 「夏至」の世界 ―
広瀬雅弘グラスゴー大学日本映画祭の紹介と2002年度広義に関する報告:あるいは,2003年4月に「おとなしい日本人」を論じることの困難

『ドイツ啓蒙主義研究3』

津田保夫エルンスト・プラトナーの『医師と哲学者のための人間学』 ― 後期啓蒙主義における新しい人間観とその学問の試み ―
福田覚快感情の起源をめぐるJ. G. ズルツァーの考察 ― アカデミー論文(1751/52)についての覚え書き ―
斉藤渉「フリードリヒの世紀」と自由 ― カント『啓蒙とは何か』とプロイセン一般ラント法 ―(後編)

『カルチュラル・スタディーズの理論と実践』

木村茂雄モダニズムと植民地主義 ― ヴァージニア・ウルフの「内なるヴィジョン」をめぐって ―
杉浦清文徘徊する「幽霊」たち ― 『サルガッソーの広い海』におけるジーン・リースの戦略 ―
神田麻衣子「マウマウ」論争とアフリカ表象 ― グギ・ワ・ジオンンゴ,ミシュレ・ギザエ・ムゴ『デダン・キマジの裁判』を通して ―
小杉世‘Papalagi Moses’ and ‘Snow-White Angels’ ウェンツのサモア ― キリスト教原理主義,人種,移民 ―
松木園久子マルグディの周辺 ― R. K. Narayanの作品における村 ―
伊勢芳夫「東」と「西」 ― 文化相対主義と普遍主義(1) ― 理論的試み ―

『文化の解読(3) ― 文化の政治性/政治の文化性 ―』

水野博子記憶と忘却の相克を超えて
吉見貴子箱庭の「都市」 ― 代補空間としてのテーマパーク ―
我田広之「真夜中の伝導」をめぐる社会史 ― ヨアヒム・シュレーア『大都会の夜』を読む(2) ―
金子元臣Bürgerlichkeitの言説とトーマス・マン ― ヴィルヘルム帝政時代の政治と文化 ―

『音声言語の研究』

遠藤裕昭後期中英語母音の長短対立に関する一考察 ― Troilus and Criseyde他の脚韻から ―
洪心怡台湾の日本語学習者における母音無声化
里井久輝Mora-Timing Rhythm in Japanese English
藪内智談話における情報構造とプロソディ ― 基本周波数とポーズを切り口にして ―
渡部眞一郎日本語とモーラタイミング

『自然会話における引用』

佐藤彰会話における「腹話術」引用
吉川友子談話表示としての定式化 ― 異文化交流の多人数会話において ―
服部圭子引用場面におけるコードスイッチング ― 共通語を使用した丁寧体基調会話における方言使用に注目して ―
牧陽子引用とポライトネス ― FTA緩和を目的とした引用について ―

『言語文化の比較研究』

Йoкoтa-Mурaкaмi, Taкaюки〔ヨコタ村上孝之〕Идeoлoгия пepeвoдa: пepвый пepeвoд пpoизвeдeний Пyшкинa нa япopнcкий язык 〔翻訳のイデオロギ ― プーシキンの作品の最初の日本語訳 ― 〕
Gerry Yokota-Murakami〔ヨコタ村上ジェリー〕(Dis)Claiming Antigone 〔アンティゴネの(脱)表象〕
許均瑞〈自己〉と〈他者〉の想像性 ― 台湾における村上春樹と大江健三郎の新聞書評について ―
井上薫『上海漫画』「世界人體の比較」とDie Rassenschönheit des Weibes ― 掲載資料対照一覧表 ―
中直一森鴎外『玉を懐いて罪あり』における翻訳技法
常磐幸利強姦されたと偽った人々 ― 明治期の強姦偽訴事件 ―
仙葉豊子規と是空の脳病

『批判的社会言語学の諸相』

山下仁批判的社会言語学のための予備的考察
植田晃次固有名詞の翻訳 ― 日本語における朝鮮文化圏の人名の場合 ―
義永(大平)未央子接触場面の協同的構築 ― カテゴリー化の議論を中心に ―

『現代社会における消費文化の構造と生成(2)』

ヨコタ村上孝之『Bバージン』と欲望の地政学 ― 付・オタクについて ―
高馬京子フランスの新聞における日本モードのイメージ消費について ― ディスクール分析における「エトス」概念を通して ―
許均瑞台湾ブランドの樹立 ― 「台北国際ブックフェア」をめぐって ―
北村卓物語の創造/消費と「検閲」 ― 永井荷風をめぐって ―

『アメリカ文化研究の可能性』

里内克巳死の影の谷を抜けて ― W. E. B. デュボイス「黒人のたましい」最終部を読む ―
朴葈英小説を通しての対話 ― DouglassとStoweの小説に共通する黒人ヒーロー像と奴隷制度廃止運動の方向性 ―
森祐司「アメリカ」
室淳子アメリカ先住民と笑い ― Sherman AlexieのSmoke Signalsをめぐって ―
松原陽子もう一人の「エルヴィス」を探して ― アリス・ウォーカーの「1955年」と現代アメリカにおける「人種」の言説(ディスコース) ―
木原善彦スロースロップはそこで何を見つけたか? ― 謎解き,ポストモダニズム,文学研究 ―

『言語における時空をめぐって』

井元秀剛メンタル・スペース理論から見たフランス語の近接未来
沖田知子アスペクトの時間 ― 英語進行形をめぐって ―
瀧田恵巳ドイツ語の時間表現vorherとvorhinについて ― その空間的解釈の試み ―
春木仁孝階層と語り ― 複合過去と単純過去の交替 ―
春木仁孝・劉綺紋語気助詞 “了” のモダリティー機能 ― アスペクトからモダリティーへ ―
渡辺伸治「前」の用法 ― 統一的説明試論

『異言語教育の今日的課題』

岡田伸夫コミュニケーション時代の文法教育
力武京子異文化を体得させる言語教育の一方法 ― ドイツ語特設クラスの例 ―
日野信行自己表現のための英語ライティング授業の方法
間晶子中国占領地向け日本語教育教科書『ハナシコトバ』と『ハナシコトバ学習指導書』をめぐって
森本郁代多文化共生社会を目指して ― 地域日本語学習支援活動を見る視点 ―
仲潔教科書におけるEnglish・英語と言説 ― 中学校英語教科書の分析を通して ―

『自然言語の統語構造 ― 理論と実証 ― 』

越智正男Uninterpretable Features in A’-Movement
北尾泰幸Anaphor Licensing in Japanese relative Clauses and Cleft Sentences
宮本陽一A Note on Scope Interaction
山本純平On Adjunct Condition Effects
由本陽子英語の動詞接頭辞re-による概念構造の変更と受け継ぎについて
Timothy B. GouldPredicate Dropping as a Communication Strategy: Evidence from a Child Learning Japanese as a Second Language
鈴木清香Existence of Multiple Headed Structures and Multiple Wh-phrase Interrogatives in English by Japanese EFL Learners

『電子化言語資料分析の方法論II』

岩根久階層的クラスター分析の有効性 ― 英・仏・独・伊・西語の文字連鎖出現率の分析 ―
Norihiro Ogata (緒方典裕)Web Contents as Ontological Resources of Semantic Web
田畑智司Browsing through the BNC with BNCweb ― BNCwebによるBNC検索 ―

『日本における英語教育の諸問題』

成田一英語教育の理念と目標と問題点
岡田伸夫規則変化・不規則変化に関する研究とその英語教育への応用
佐藤彰日本人大学生の英語ライティングにおける引用についての諸問題
村上スミスアンドリューGaps in the English Skills of Japanese University Students

『大阪大学におけるCALLとドイツ語教育 Computergestützter Fremdsprachenunterricht an der Universität OsakaErgebnisse und Perspektiven』

岩居弘樹Project Powerpointの新たな展開 ― 実例報告 ―
斉藤渉CALLシステムを利用したドイツ語リーディング授業 ― 実例報告 ―
水野博子CALL教室を利用した授業の試みと課題 ― ドイツ語によるオーラル・コミュニケーション能力の習得法 ―
Torsten SchlakAutonomes Lernen und Neue Medien in Forschung und Lehre: Ein konzeptueller Vorschlag

『自然言語の意味構造』

岩男考哲発話「〜ダッテ.」についての準備的考察
Norihiro Ogata (緒方典裕)A Note on Modal Dynamic Predicate Logic for Modal Subordination
河本雅一条件的接続詞の語用論 ― 「でも」「それでも」と「では」「それでは」の場合 ―
三藤博定名詞句の意味解釈への関数アプローチ